ONE LOVEへのメッセージ


多くの人に感動を呼んだ『盲導犬クイールの一生』を書かれた石黒謙吾さんの自信作、『どうして? 〜犬を愛するすべての人へ』は、犬と動物と人間を愛するすべての人へのメッセージが込められています。その想いは、まさしくONE LOVE.スピリッツ。満を持して共に暮らし始めた愛犬「先輩」とのエピソードに笑みがこぼれつつ、犬と暮らすことを改めて考えさせられるインタビューです。
人と犬の明るい未来を作るプロジェクト ONE LOVE
日本では年間に44,783頭もの犬が殺処分されているという実態があります。(平成23年度 環境省発表)この現状に対して1頭でも多くの犬たちの命を救うために、動物保護団体への寄付や飼い主さんへの啓発、保護犬文化向上のための支援に取り組んでいます。
1人ひとりの小さな“ONE LOVE”を集めて大きな力にするために、私たちに出来ることから始めませんか。
ONE BRAND(以下、O.B.) 今日は石黒さんの愛犬、先輩にも同席頂きお話を伺います。「先輩、よろしくお願いします(笑)」。石黒さんは犬に関する著書を多く書いておられますが、ずっと犬と暮らして来られたのですか?
石黒 子どもの頃はうちの親がムツゴロウさんみたいな人だったんで(笑)、犬に限らずアヒル、サル、金魚、ヒヨコ、熱帯魚、コイ……なんでもいましたよ。そして犬は生まれたときからずっといました。それから、叔父2人が獣医なんですよ。1人は亡くなりましたが、開業医として、熱海で石黒犬猫病院をやっていました。もう1人は能登で牛の研究をしていた役人です。僕は金沢にいたので、近所ではなかったんですが、やはり、犬との縁は深いのかもしれませんね。
O.B. お仕事をしながらも犬との暮らしを続けておられたのですか?
石黒 大人になってから犬と暮らすのは「先輩」が初めてなんですよ。1人暮らしの頃は、世話ができないのではかわいそうだと思ったから犬は飼わないようにしていたし、結婚してからもペット禁止のマンションに住んでいたので。5年前にペットOKのマンションに引っ越して犬を飼える環境にはなったんです。でも2年くらいどうしようかねぇ?、なんてカミさんと考えていました。そうしたら縁あって、生後2週間くらいの「先輩」と出会っちゃって……見た瞬間に「決めたっ!」って(笑)。ちょうど飼ってもいいなというタイミングだったんです。それから親元に3ヶ月間いてから我が家に来ました。
O.B. なるほど。中には盲導犬のようなアシスタンスドッグは人のためになっているだけで、犬が可哀想だというような声も聞こえてくるのですが……。
石黒 盲導犬をはじめとするアシスタンス・ドッグについて、「人のために働くのは可哀想」だと思っている人には、「犬は人のために働くことが好きなんだ」ということを知っていただきたいです。先入観で決め付けるのではなくて犬の性質を知ってもらえばいいですね。きっと犬は「家で何もせずに寝ているんだったら何か仕事したい」と思う生き物。その方が嬉しそうにしていますから。もちろん、盲導犬はトイレを自由にできないなどのストレスもあるだろうけど、人の役に立っているという喜びの方が大きいと思いますよ。人の中で一緒に暮らして喜び、なかなか街中では見かけない光景だけれど、ハーネスを外すと普通の犬に戻って走り回って遊ぶこともあります。「働いていることイコール可哀想」ではありませんね。
O.B. 犬と暮らす人、これから犬を飼おうと思っている人に石黒さんからメッセージをお願いします。
石黒 とにかく、殺処分などという恐ろしい行為は、本当に減らしていかなければなりませんよね。そのためには、まず、「もらおう!」ということが第一ですよね。 紹介だったり、インターネットで調べたり、里親ボランティアさんにお願いしたり、色々と手段はありますが「犬はなるべくもらうようにしましょう」と言いたいのです。だって、昔はごく普通に犬はもらうものだったじゃないですか?あとは、売ったり譲ったり、つまり引き渡す側が、飼いたい人が本当に犬を飼える状態なのかを見極めることも必要ですよね。保護犬だって、誰でもいいから引き取ってもらえばいいというものじゃありません。僕は、理想論と言われそうですが、犬種で選ぶとか、犬種ブームというものを苦々しく思っています。犬が飼いたい、犬と暮らしたいんだったら犬種はなんでもいいじゃないですかと呼びかけたい。それから、これは言わずもがなですが、飼う責任があるからきちんと散歩させるとか、食事を適切な量だけ与えるとか、犬を飼うにあたっての基本的なことができるかどうかには、ちゃんとたちむかってほしい。さらに、去勢するかどうかなども飼い主はちゃんと考えて決めないといけない。子どもを産ませる目的で飼っていないのであれば、去勢した方がいいでしょうね。あと、犬はかまってもらいたい動物だから、少しでも、いっしょに遊ぶ時間を作ってほしいですね。あ、「犬が好き」なら当たり前のことでしたね(笑)。とにかく、犬と暮らす際の選択肢の一つとして、犬はもらえるんだって事を、みんなで意識していきましょう。