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ONE LOVE's mesasge  マルコ・ブルーノ

ONE LOVEへのメッセージ

マルコ・ブルーノ

ONE LOVE PROJECT

オーストリアで生まれ、20歳の時来日して以来、CMとレコードの作詞作曲、作詞家としては映画「ナイル殺人事件」の主題歌でゴールデンディスク賞を受賞したほか、翻訳、童話や新聞連載の執筆、写真家として活躍するマルコ・ブルーノさんは、ボランティアとして捨て犬捨て猫問題に取り組んでこられました。動物愛護支援の会の代表としては、日本を動物後進国から先進国にするための『動物愛護及び保護の改善マニフェスト』を提唱しておられます。厳しくも愛情深いマルコさんからのメッセージです。

『ONE LOVE』はみんなが持つべき「愛犬家精神」や「愛情」。
1つの愛情が、1つのマナーを生み、1つの共存を生む。


これが『ONE LOVE』の想いです。年間、約12万頭ものイヌが保健所で殺処分されている現代日本。そこで「ONE LOVE」では、プロジェクト第1弾として、「イヌ・ステ・ゼロ」運動をスタートしています。そしてこれからも、単なるペットブームに乗るのではなく、成熟した「イヌとの暮らし」を実現するための情報発信とDonation(寄付活動)を行っていきます。


ONE BRAND(以下、O.B.) マルコさんが感じる日本とヨーロッパの違いは何でしょうか?

マルコ 日本はどこでもペット禁止でひどいですね。例えば区役所へ何か書類を出しに行くだけのことなのに、犬連れではいけない。それでいて、役所の作ったポスターを見ると、『ペットは家族の一員です』って書いてある。その下には『犬はつないで飼いましょう』って、意味がわからないですよね。「お前ら何言ってるんだっ!」って言いたくなりますよ。それに日本では、ブランド物のバッグと同じように、犬も流行があるでしょ?それはもう、なんて言うの…上辺だけの愛情なんですよ。ヨーロッパではそういうことはほとんどないですからね。私の友人が向こうで犬を飼ってますけど、みんな自分の意思で自分の好みで犬種を選ぶんですよ。ペットショップでの生体販売は禁止されているから犬を買うなんて出来ないし。犬が欲しくてブリーダーの所に行っても、ヘタすると断られるんです。ブリーダーがものすごい強気なんですよ。もう一つの方法は、地元の動物シェルターからもらいうけることだ。それもまたシェルターの条件がかなり厳しい、誰にでもあげない。

O.B. ブリーダーは自分が大切に育てている犬が産んだ犬だから、ってことなんでしょうね。

マルコ そうそう、自分の飼ってるお父さんとお母さんの子供をね、やたら誰にでも売っちゃうっていう人はほとんどいないですよ。

O.B. それで動物愛護の活動を始められたんですか?

マルコ 始めたのはもう25年ほど前、足立区に引っ越ししてから。当時の足立区は動物問題に関して東京23区内のワーストワンだった。10年以上も前に、ある新聞から荒川河川敷についての取材を受けたんです。河川敷にはすごく捨て犬捨て猫が多いんですよ。他のペットも・・・ニワトリ、ウサギ、ヘビ、イグアナ、当時はなんでもいました。引越しするからもういらないって放り投げられて、そこでみんな死んじゃうという実態についてお話したんです。そうしたら、伊藤榮子さんという女優さんが私の記事を読んで、ぜひ会いたいと連絡があったんですよ。それでお話を聞いてみると『山梨』のことだったんです。

O.B. 山梨というのは、マルコさんが『犬捨て山』として世に知らしめたあの悲惨な多頭飼い崩壊現場のことですね。

マルコ そうです。メッチャクチャな状態で自分ひとりじゃ太刀打ちできないから助けてくれという事で、初めて彼女と一緒に行ったんですけど、びっくりでしたよ。えさも足りないから餓死にしたり、そこら中で子犬だらけ、母犬が栄養失調だから産まれて2~3日で死んでしまっていて。それを全部写真で撮ったんですよ。正直言ってそのときには、「あぁ、オレなんで日本に来ちゃったのかな」と思ったね。そんな状態で400頭以上の犬がいたんですけど、お陰さまで現在は82頭まで減ってきました。今は犬もみんな自分の部屋があってあったかいし、つながれてる犬は一匹もいないし。今の環境が理想ではないけれど、かなり良くなりました。数年前、現地の責任者として住みついた小林さんのお陰、それと5、6年前から地元の帝京科学大学の学生たちがサークルを作って、毎週のように散歩したりお世話してくれてるんです。すごく偉いですよね。そういう若い人の爪の垢を煎じて大人に飲ませてやりたいですね。

O.B. 本当に頭が下がります。マルコさんにも、学生の皆さんにも。そういう活動を通じて動物愛護支援の会を立ち上げられたんですね。

マルコ 会が必要だと感じたのは、行政と話し合うためなんです。最初は足立区の区役所と保険所へ荒川河川敷の写真を持って行って訴えたんです、「あんたたちの庭先はこんなザマだよ」って。そしたらね、「貴重なご意見、誠にありがとうございます。前向きに検討させていただきます。」ってね。すっげぇバカにされた感じがしました。その時に、個人ってそういうもんなのかって思ったんですよ。それに日本の政治もそうじゃないですか、数の論理ばかり。じゃあこっちも数でやろうじゃないかって事で、この会を作ったんです。年会費のない日本では珍しい会ですが、お金より人数。今では全国で1,400人以上の会員がいて、私はマスコミにも強いでしょう。それで役所へ行くと、態度がコロッと変わっちゃうんですよ。

O.B. マスコミの力を使うことも大切なんですね。

マルコ 僕の本『マルコの東方犬聞録~日本の犬だけには生まれ変わりたくない!』の中で山梨のことと日本の動物現状や動物愛護法についてボロクソに書いたり、ある新聞にも『山梨 脳ナシ 情ナシ』って記事書いてたら。そうしたら向こうの保健所が読んだみたいで、「来て下さい」って呼び出しくらっちゃったんですよ。ノラ犬のようにこんどオレが処分されてしまう(笑)と恐る恐る行ってみたら「協力させてください」って言ってくれました。

O.B. そこまで言われると、行政も何かやらなくちゃと思ったんでしょうね、さすがに。

マルコ そう。すごく協力的でした。当時の大月保健所では、今は残念なことに合併されてなくなってしまったんですけど、前の部長も課長も係長も行くたびに、「私たちにできることを言って下さい」って。役所っていうのもね、中身が分かるとかわいそうですよ。何かを改善したいと思っていても、実行できない。なぜかと言うと、彼らはくだらない法律、くだらない条例に手を縛られてるんですよ。マニフェストを2年前に作ったんですけど、これ読んでいただければ、どういう法律を作ればよいか、そんなに難しい話じゃないでしょ?日本の役所って、「前例がない」って必ず言うんですよ。だけどヨーロッパではここに書いてあるものは、何十年前からやっているんですよ。つまり、ヨーロッパを前例として考えていただければ、全く自然なことなんですよね。

O.B. マルコさんのマニフェストは、本当に納得がいくものばかりです。

マルコ これは10年プランなんです。今の日本の状況を考えると、これほどたくさんの犬が繁殖されて、売られて、無責任に飼われているんだから、じゃあ来年までにヨーロッパのようにするっていうのは無理。明日から出来ることはというと、まず元栓を締めること。今は水出しっぱなしなんですよ。ボランティアやってる我々がバケツと雑巾を持って、毎日拭いてるんです。でも上からどんどん、どんどん水が降ってくるわけですよ。

O.B. 過剰な繁殖を行わない、衝動買いさせないということですよね。

マルコ ペットショップでの販売は全部禁止という極端な言い方する人達もいるんですが、こんなに普及しているシステムを、じゃあ来年から全部閉鎖っていうのはできないですよ。何ができるのかっていうと、ちゃんとしたブリーダーと悪徳繁殖屋の区別。きちんとしたブリーダーは、近種交配、老犬の出産とか遺伝性の病気を持ってる犬から子供をとらないですよ。動物病院に行くと、健康そうな犬を抱いてる人がいっぱいいるんですよ。どこが悪いのかって聞くと、みんな遺伝性の病気なんですよ。そういう不幸な犬を減らすためにも、消費者を守るためにも、ちゃんとした繁殖のルールをまず作って、守らない業者を閉鎖させなきゃダメ。で、良いペットショップ、まじめなブリーダーだけ残すようにすべきなんです。無責任な大量繁殖がまずなくなると、大量処分も減る。保健所にとっても、1日に約1,000匹もの犬・猫が殺されているんですけど、それが減れば、みんなありがたいじゃないですか。

O.B. 税金もそれだけ使われないって事ですもんね。それにこのままだと終わりがないですもんね。

マルコ そう、ずっと暗いトンネルの中を歩いているみたいなもんで、出口の明かりが見えない。これをどうやって正常なレベルに持っていくかが、ボランティアの一つの仕事だと思うんですよね。犬猫を保護する、助けてあげるってことは、もちろん一つの大切な分野ですけど、その数をいかに少なくするか、もうちょっと合理的に考えることは、すごく大事なことだと思いますね。そうしないと日本はこれからも「動物後進国」として外国から白い目で見られ、イルカの問題、鯨の問題、国内の野生動物の問題などと同様、ペットに関しても野蛮な国というレッテルが貼られたままになってしまう。

マルコ・ブルーノ
犬に尊敬される飼い主になる方法1945年オーストリア生まれ。20歳の時来日、CMとレコードの作詞作曲、翻訳、童話執筆、写真家として活躍。捨て犬や捨て猫の里親探しに取り組む。著書に「ドンとハリーの犬に尊敬される飼い主(ボス)になる方法」など。

「犬に尊敬される飼い主になる方法」 マルコ ブルーノ (著) 
(ハート出版)

『動物愛護支援の会 HP』
http://www.adachi.ne.jp/users/help/

『マニフェスト』
http://www.adachi.ne.jp/users/help/index/manifesto.htm