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ONE LOVE's mesasge  宮本亜門

ONE LOVEへのメッセージ

宮本亜門

ONE LOVE PROJECT

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「犬から教えてもらうことはとても多い。ただ黙って目を見ているだけで」。かつて捨て犬だった愛犬を最期まで育て、いまは動物愛護センターから引き取った雑種犬を大切に育てているという演出家・宮本亜門さんに、そのいきさつや思いなどをうかがった。

人と犬の明るい未来を作るプロジェクト ONE LOVE

日本では年間に44,783頭もの犬が殺処分されているという実態があります。(平成23年度 環境省発表)この現状に対して1頭でも多くの犬たちの命を救うために、動物保護団体への寄付や飼い主さんへの啓発、保護犬文化向上のための支援に取り組んでいます。
1人ひとりの小さな“ONE LOVE”を集めて大きな力にするために、私たちに出来ることから始めませんか。

自然のなかにおいて命の価値はいっしょ。人間だけでなく、犬も猫も鳥も花も貝も、みんな煌めく命をもっていると思うんです。


ONE BRAND(以下、O.B.) 宮本さんの犬好きは、お父さまの影響が大きいそうですね。

↓昨年飼いはじめた二代目ビートくん。 宮本 そう、親父は慶応大学の学生のときにドッグ部を設立したと言ってるほどの犬好きで、幼いころから家にはいつも犬がいました。だから、僕にとって犬は、そばにいて当たり前というような存在になったんですね。

O.B. 最初にご自分で犬を飼われたのは?

宮本 1998年に沖縄で映画『BEAT』を撮影しているときに、ロケ場所に捨てられていた雑種の子犬を見つけ、それを引き取ったのが最初。なんと、その子は口を針金で結わかれ、石をのせたカゴのなかに入れられ捨てられていた。ひどいことしますよね……。当時、僕は犬が飼えないマンションに住んでいたんですけど、放っておくわけにはいかず、親父と半々で世話をすることにして引き取ることにしたんです。名前は映画のタイトルからとってビート。残念ながら、一昨年に推定10歳くらいで亡くなったんですが、本当にすばらしい犬でした。なんだかガンジーみたいな子でね。

O.B. インドのマハトマ・ガンジーですか?

宮本 そう、あのガンジー。どんな犬にも人にも、とにかくピースフルに接していたんですよ。元来、人見知りな感じで生きていた僕は、そういう姿を見て、教えられるところが多かったですね。親父なんか、人生に悩んで生きていくことすら辛い時期があったみたいなんですけど、そのときそばにビートがなにかを語りかけるように寄り添ってくれていたおかげで救われたといってました。まあ、そんな大事なことは息子の僕に相談してよ、という話なんですけど(苦笑)。

O.B. じゃあ、ビートくんが亡くなったときはさぞかしショックだったことでしょうね。

宮本 がっくりきました。あの犬好きの親父が「二度と犬は飼わない」って宣言したくらいですから。

O.B. でも、いまは、また新たに犬を飼っていらっしゃるんですよね。

宮本 はい、こんどはもっぱら僕が世話をすることにして、親父には相談せずに飼い、ときどき世話をしてもらうことを決めました(笑)。この子は、昨年、僕が住んでいる沖縄にある動物愛護センターから引き取った雑種犬で、いまは1歳ぐらい。名前は初代と同じでビートです。

O.B. やはり、そばに犬がいないと寂しい思いがおありだった?

宮本 もちろん、それもあったけれど、とにかく、1頭でも殺処分されてしまうかもしれない子を見捨ててはおけないという思いのほうが強かったですね。じつは、辛い話なんですが、僕の沖縄の家の周りは捨て犬がとても多いんです。夜中になると哀しい声が響いてくることがたびたびある。そのほとんどが殺処分されている事実があります。そういうことに日常的に接していると、もう、いてもたってもいられなくなるんです。

O.B. 初代ビートくんは捨て犬で、新しいビートくんも保護した犬……。私たちはONE LOVEという活動を通して、犬を捨てないことや、保護犬を飼うことの必要性などを訴えかけていますが、宮本さんもそうしたことには大いに関心をもっていらっしゃったわけですね。

宮本 犬はかわいいし、人をいやしてくれる。でも、犬を玩具のように扱う風潮には、はっきりNOを唱えたいと考えています。でも、僕が捨て犬や保護した犬を飼うことにしたのは、なにもそういった主義・信条からではありません。あの犬たちの哀しい目を見れば、「わあ、これは心が痛んでいるなあ」って感じざるを得ないわけで、それはある意味、同じ生物としての自然な情から生まれでた行動かもしれません。

O.B. なるほど。もし、そんな本能的な情感を大切にされる宮本さんが、捨て犬をなくすためのアピールをするとしたら、どんなことが考えられますか?

宮本 世の中には犬を捨てることに対して余り痛みを感じない人たちがいるのは事実としてあって、そういう人たちには、いくら「捨てちゃいけない」といっても、まったく通じないだろうなって僕は考えているんです。そういうことを前提にし、かつ自分が演劇人であることを踏まえれば、心の奥の琴線に触れる感動を伝えることこそが、そういう人たちの行動を改めるきっかけになるんじゃないかと思ったりしています。具体的には、命の煌めきについてフェース・ツー・フェースで語り合える、そんな場をいっぱいつくっていきたいですね。

命を大切にする気運を新しい時代につなげたい!


O.B. ところで、東日本大震災ではたくさんの方々が亡くなられた上に、いまも多くの方々が避難生活をつづけられています。そんななか、被災したペットの保護や飼い主のみなさんの支援のために、多くの動物愛護団体が奔走しています。こうした活動については、どのような印象をおもちになりますか?

宮本 人間だけでなく、犬も猫も鳥もいっしょの命をもっている。そして、それが共に生活し、飼っている方々にとっては家族も同然。もし亡くしてしまったら、どんなに辛いことでしょう。それを救い、サポートされている方々には深く頭が下がります。

O.B. 最後に読者のみなさんに向けてのメッセージをお願いします。

宮本 犬や猫たちが1頭でも多く助かり、それが被災した方々の心の癒しとなってくれたら、それ以上のことはありません。でも、すべてを解決に導くにはまだまだ先は長い。ですから、みなさんには、長い目で事態を見守るとともに、根気強く応援をつづけていただければと思います。もちろん、僕もできることを精一杯がんばるつもり。今回の震災は辛く悲しい出来事ですが、その一方で多くの人が命の尊さを改めて実感しはじめているという事実もあり、こうした崇高な気運を、これからの新しい時代づくりにつなげていければと思っています。ぜひ、共に前に進んでいきましょう!

宮本亜門(みやもとあもん)
1958年東京都生まれ。ニューヨークとロンドンの留学から帰国した1987年に『アイ・ガット・マーマン』で演出家としてデビューし、同作品で文化庁芸術祭賞を受賞。 さらに、2004年にニューヨークのオンブロードウェイにて『太平洋序曲』を東洋人で初演出するなど、いまやその活動は海外でも大きな注目を集めている。
ことし1月には、オープンしたばかりのKAAT〈神奈川芸術劇場〉の芸術監督に就任。

『AMON MIYAMOTO official website』
http://amon-miyamoto.com/

INFORMATION
〈宮本亜門〉演出の舞台「スウィーニー・トッド」
 5/14〜6/4●青山劇場他 地方公演あり
「太平洋序曲」
 6/17〜7/3●KAAT(神奈川芸術劇場)

スタイリスト:馬場圭介/取材協力:フジテレビ 東京都港区台場2-4-8 http://www.fujitv.co.jp/