ONE LOVEへのメッセージ


唯一無二のHIP HOPアーティストとして活躍を続けるSEAMOさんが今は亡き愛犬について歌った「ワン☆ダフル」は、小日向文世さん主演で話題の映画『犬飼さんちの犬』の主題歌としても注目を集めています。大の犬好きアーティストとして知られるSEAMOさんからONE LOVEメッセージです。
人と犬の明るい未来を作るプロジェクト ONE LOVE
日本では年間に44,783頭もの犬が殺処分されているという実態があります。(平成23年度 環境省発表)この現状に対して1頭でも多くの犬たちの命を救うために、動物保護団体への寄付や飼い主さんへの啓発、保護犬文化向上のための支援に取り組んでいます。
1人ひとりの小さな“ONE LOVE”を集めて大きな力にするために、私たちに出来ることから始めませんか。
ONE BRAND(以下、O.B.) 現在公開中の映画「犬飼さんちの犬」の主題歌にもなっている「ワン☆ダフル」、愛犬への思いが詰まったとても素敵な曲ですね。曲の中で歌われているエピソードはSEAMOさんの実体験ですか?
SEAMO 実はそうなんです。僕の実家では物ごころついた頃から、いつも犬を飼っていたのですが、一番強く思い出に残っているのが、4年前に亡くなったメイ(シェルティ、♀)という犬で、この曲ではメイのことを歌っています。
メイは生後4か月の時に、僕がブリーダーさんから譲り受けた犬。子犬は生後4カ月にもなると、早くも「売れ残り」なんて言われちゃうらしく、ブリーダーさんからも「生後4か月過ぎてるから、懐くまで時間がかかるかも」っていわれました。でも実際には、メイはとても人懐っこい犬で、僕たち家族にも出会ったその日からすごく懐いてくれました。
その後、メイは実家の庭でノビノビと元気に暮らしていたんですが、ある日、家族が門を開けっ放しにしていた隙に、外に出てしまって…。交通事故に遭い、脚を1本切断する大けがを負ってしまいました。でも3本脚になってもメイは相変わらず元気いっぱい。亡くなるまで僕たち家族を癒し、元気づけてくれる存在でした。特に母は「メイが足を一本なくして、うちの不幸を一人で肩代わりしてくれたんだ」って、いつも感謝していましたね。
O.B. メイちゃんのことを歌にしようと思った理由は何だったのですか?
SEAMO メイに限らず、いつか大好きな犬たちのことを歌にしたいとは思っていました。自分ちの犬への想いを歌うわけですから、「あまりにもテーマが個人的すぎて多くの人に聞いてもらえないのでは?」っていう意見もありましたけど、僕本人はリリースしなくてもいいから、とりあえず自分の思ってることを歌にしたいっていう気持ちで書いたんです。出来上がったのは去年の12月だったかな。そしたら、思いがけず、いろんな人に聞いてもらう御縁に恵まれて、「犬飼さんちの犬」の主題歌にも選んで頂くことができました。後で聞いたところによると、主題歌には他にもいくつか候補曲があったらしいのですが、主演の小日向文世さんが、ワン☆ダフルを聞いて「これしかないだろ」みたいなことを言ってくださって、鶴の一声で決まったって聞きました。すごく、嬉しかったですね。
O.B. 映画「犬飼さんちの犬」はSEAMOさんからみて、どんな映画ですか?
SEAMO 一言で言うと、すごく共感できる映画ですね。思わず「あるある〜!」「わかる、わかる〜!」って言いたくなるシーンがたくさんありました。
映画では、犬飼さんという一家が犬を飼い始め、少しずつ変わっていく様子が丹念に描かれています。例えば、生活のリズムが変わったり、家族の会話が増えたりという変化ですね。でもよく考えてみると、それって実は、犬を飼ったことがある人なら大概は経験していることなんですよね。だから犬飼家の人たちの気持ちがすごくリアルに伝ってくるんですよ。例えば、主人公が初めてドッグランに行って、常連さんたちの雰囲気になじめず帰ってきちゃうシーンとか、僕も全く同じような経験してるから(笑)、すごく共感しましたね。
見終わった後は、「ああ、犬がいてよかったな」っていう幸福感に満たされました。無性に自分ちの犬に会いたくなったし、ほっこりと暖かい気持ちになれましたね。犬を飼ったことがある人にはもちろん、飼ったことのない人にも自信をもって勧められる、素晴らしい映画だと思います。
O.B. 主題歌ワン☆ダフルが収録されているミニアルバム「ONE LIFE」は、これまでのSEAMOさんのアルバムと少し雰囲気が違いますね。
SEAMO これまで僕は、メッセージ性よりも、エンターテイメント性を優先してアルバムを作ってきました。あえてバラバラのタイプの曲を盛り込むことで、いろいろな人に楽しんでもらうことを目指していたんですね。今回の「ONE LIFE」は、初めてその路線を脱して作ったアルバムで、メッセージ性の強い曲ばかりを収録しています。こんなふうにアルバム作りへの姿勢が変わってきたのは、やはり、東日本大震災の影響でしょうか…。
震災後、多くの人がそうだったと思いますが、僕も「今、自分にできる事は何だろう」ってすごく考えさせられました。もちろん僕にできる事は音楽しかないんだけれども、僕は地震や津波の恐怖を直接経験していなくて、被災地の様子をテレビや新聞で見ていただけ。そんな僕が「復興しよう、頑張ろう」なんて歌っても何のリアリティも説得力もないですよね。
でも、僕にはこの大震災後、1つだけ心に決めたことがありました。それは、悔いを残さないように生きよう、ということ。今までおざなりにしていたことをこれ以上、先延ばしにせず、どんどんやろう。もっとがむしゃらに生きて行こうって決めたんです。この気持ちなら、僕でも歌にできるって思いました。その歌で、誰かを元気づけられるかもしれないって。今回のアルバムの収録曲5曲のうち、ワン☆ダフル以外の4曲はそんな想いで作ったものです。
僕、歌には「提案する」役割があると思うんですよ。説教や強制ではなく、「こういう生き方もあるんだよ、こういう考え方もあるんだよ」って提案する役割。僕の歌がきっかけで、誰かが前に一歩踏み出してくれたら嬉しいですね。
O.B. 愛犬との思い出を歌った「ワン☆ダフル」にはどんな想いが込められているのでしょうか?
SEAMO メイへの感謝の気持ち+犬の素晴らしさを多くの人に知ってほしいという願いを込めました。犬と暮らすのって本当に楽しいし、犬から人間が教わることってすごくたくさんあるんですよ。例えば命の大切さ。犬は寿命が短いので、飼い主より先に天に召されることが多いですよね。あんなに小さな子犬だったのに、どんどん大きくなって、年を取ってわずか10数年で死んでゆく。その姿を見て僕自身、命には限りがあること、命がいかに貴重なものかを学びました。あと、言葉が通じなくても、心を通わせることができると言うことも、犬たちに教えてもらったなあ…。
ただし、誤解してほしくないのですが、僕はただ単に犬を飼う人が増えてほしいと思っているわけではありません。今の日本では残念ながら、適切な飼い方をしていない飼主さんも多いですから。
繁華街のど真ん中に深夜営業のペットショップがあって、通りがかりの人が衝動的に犬を買えてしまうシステムにも問題があると思うし、人気犬種を作るために危険な交配を続けるブリーダーの存在にも疑問を感じています。もちろん、毎年何万頭もの犬が殺処分されているなんて、どう考えてもおかしい。
でも、この問題も、お説教や強制ではなかなか解決しないですよね。一人一人が現実を知り、自分たちの間違いに気づかなきゃ、世の中は変わらない。だからONE BRANDさんのようなメディアの力ってすごく大切ですよね。これからも、誌面やイベントを通じて、もっと多くの人に犬を取り巻く問題を知らせてほしいと願っています。僕も歌を通じて、いろいろなメッセージを伝えて行くつもりです。ワン☆ダフル、ぜひ聴いてみてください。
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