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ONE LOVE's mesasge  田辺アンニイ

ONE LOVEへのメッセージ

田辺アンニイ

ONE LOVE PROJECT

土手でホームレスと暮らす犬を見かけたことから、人生が大きく変わった田辺アンニイさん。今までの活動の一部を綴った「それでも人を愛する犬」が今年出版されました。「普通の主婦」として自分のライフスタイルを楽しみながら、犬猫の保護を続けている田辺さん。躊躇しがちな「保護活動」という行動を、みんな誰にでも出来ることという心強いメッセージを送ってくださいました。

『ONE LOVE』はみんなが持つべき「愛犬家精神」や「愛情」。
1つの愛情が、1つのマナーを生み、1つの共存を生む。


これが『ONE LOVE』の想いです。年間、約12万頭ものイヌが保健所で殺処分されている現代日本。そこで「ONE LOVE」では、プロジェクト第1弾として、「イヌ・ステ・ゼロ」運動をスタートしています。そしてこれからも、単なるペットブームに乗るのではなく、成熟した「イヌとの暮らし」を実現するための情報発信とDonation(寄付活動)を行っていきます。


ONE BRAND(以下、O.B.) 田辺さんが書かれた著書「それでも犬を愛する人」拝読しました。

田辺 ありがとうございます。

O.B. 本の中では主に、ホームレスの人々が飼っている犬たち―土手犬の保護について語られていますが、犬猫の保護活動を始めるきっかけは何だったんですか?

田辺 犬を飼い始めてから、犬に関する色んな本を取り寄せては読んでいたんです。8年ほど前になるんですけど。その中に愛護関係の本があって、ものすごく衝撃を受けたんです。その時には「捨て犬」が何かも分からない状態でした。そこで「何かをしなくちゃ!」と強く思ったものの、現実何をしたらいいか分からなくて。その当時、動物愛護法再改正がひそかに盛り上がっていたので、署名活動なら自分にも出来ると思って、そこから始まったんです。署名をもらうために、町とか公園とか駅とか色んなところを歩き始めるようになりました。ある日土手を歩いていたら、そこに犬連れの住民―ホームレスがいたんです。当時の自分はもっと大きなことを考えていたんですね、日本を変えようとか。廃校を使ってシェルターを建設しようと署名を集めて、自分だったらそこに300頭は入れるかなとか、ちょっと地に足がついていないことを妄想していたんですけど、実際に目の前にホームレスに連れられた子犬1頭に出会ったら「…どうしよう。」となってしまったんです。明らかに幸せそうであれば勿論手出しはしないですけど…。土手で木の枝を銜えている子犬って儚くて。そこから始まりました。

O.B. 保健所などからレスキューするのとは違い、「飼い主」がいる犬をレスキューするのは大変そうですが…。

田辺 ものすごく大変です。ただ「この子をもっといい人にもらってほしい」とそういう風に考えたんです。土手の犬は、飼い主を説得している間に月日が流れていくのですぐに保護できないわけですよね。その間もフィラリアの予防薬とか狂犬病の予防接種とかを受けさせに1カ月に1回位通うんです。その傍らで子猫や他の犬を保護していました。最初はノウハウがないからチラシをゲリラ的に貼ってたりして、当時はネットも今ほど進化していないし里親探しはすごく大変でした。

O.B. 今は素敵な里親さんに引き渡しを行っていますが、どのようにここまで?

田辺 里親探しって、みなさん簡単にやってそうですけどものすごく大変で、探した里親さんがもし動物実験業者だったり、その人がまた捨てるようになっては困るということで審査がはいるわけですよね。当時私は保護する力もなければ出す力もない。苦労しました。こちらが「もらってください」とお願いする立場になると、「お金くれるならもらってやってもいいよ」という人さえ出てくるんです。もらってもらう立場だと何も言えなくなってしまう。もちろん、そういう方には譲渡しませんが…。1日何百枚も少しでもかわいく写真を撮って、あえて「条件」を書いてみたんです。それを書き連ねていったら、「それ絶対守ります」という方が現れたんですよ。それでやっとこちらから「審査」ができる立場になれたんです。

O.B. なぜ団体ではなく個人で活動されているんですか?

田辺 前まではいつか団体に入ってみんなで助け合ってやっていきたいと思っていたんです。だけど人数がいればいる分、意見もぶつかってしまうし、「私はこのお宅はいいと思うんだけど」と言う人もいれば、「いや留守番時間がちょっと長い」と言う人もいる。真剣な思いだからこそ、それぞれ皆さんプライドもありますし、そういうところから長く続けるには個人かなと思い団体には所属しないことに決めました。

O.B. 個人で活動するってすごいですね。

田辺 こういうことって特殊だと思っちゃいけないと思うんです。「一部の人間だけがやっている尊いこと」、「ものすごく大変なこと」、「動物愛護団体」と「普通の人」と分ける―など垣根をつくってはいけないんです。だれにでも出来ることで、生活スタイルを崩さずにできます。みんな保護活動のイメージだと、年中その辺を走り回っていなきゃいけない、犬猫の餌代をかせぐために食べるものも我慢してって思われる方が多いんですけど、それは個人のやり方で、そういう方ももちろん素晴らしいですよね。でもそれをあなたやれますか?と言われたら躊躇しますよね。私はメイクもしますし、美容院だって行きますし、好きな洋服や家具だって買います。それまで維持してきた自分の生活に、プラスアルファでやれば7年も8年もあっという間に経ってしまいますし、続けられる。もう息するように当たり前な感覚でやりたいんですよね。ご飯を食べたり、飲んだりするような。プレッシャーや責任はすごく大きいし、寄付を募っているわけではないのでお金も勿論かかりますけど、絶対みなさんできます。実際に私の活動をみて「なんだ田辺さんにできるんだー。じゃあ私だって同じくらいの生活レベルだし、出来るかも」という方がすごく増えました。必ずしも、拾って自分の家で保護しなくちゃいけないというわけではないので、こういう風にマガジンにして啓発していただいたり、里親になっていただいたり、本当それぞれで出来ることが必ずあるんです。ひとりで100頭やろうと思わなくていいんです。100人が1頭ずつ救えば100頭になるんですから。動物愛護に興味のある方が宝くじにあたるのを待つよりも、ビルゲイツさんのような大きな力を持った方が何かをやってくれるのを待つよりも、私たちみたいな普通の人が1000人やってくれないかなと思います。

O.B. 人が犬を捨てなくなるためには、捨て犬がいなくなるにはどうしたらいいと思いますか?

田辺 やっぱり法改正とか、罰則を強化するのは必要ですね。あと私の持論かもしれないんですけど、犬の絶対数を減らすことですよね。人口は減少に推移しているのに、ペットの数はうなぎ登り。必ず歪が生まれてどこかで絶対「飼えない」というのが出てくるんです。捨てる人は家の前にドッグランがあっても、豪邸に住んでいても、いらないと思ったらいらないんです。どんな世の中でも犬を捨てる。そういう人を減らすよりも、入手しずらくする。蛇口を閉めていかないと。捨てる犬を減らすよりも飼える犬を減らす。あと人の目ってやっぱり怖いですよね。「犬を捨てることが悪いこと」という世論がもっと一般的に広まってほしいです。

田辺アンニイ(たなべ あんにい)
台湾に生まれる。8歳のころ日本に移住、家族で東京に暮らし始める。現在は主婦として生活しながら、不遇な犬猫の保護活動に個人で取り組んでいる。保護した犬猫を新しい飼い主に託した頭数はこれまでに160頭余に及ぶ。

「それでも人を愛する犬」―講談社より発売中

『ブログ:幸せの703号室 』
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